2022年4月にフランスは第9代目のフランス大統領の選挙があります。
現職のマクロン大統領と極右のルペンが再度一騎打ちとなるのでしょうか?
それとも新たな候補が出てくるのでしょうか?
大統領選まで半年を切り、候補者がしぼられつつあるので、
各候補者について今日はご紹介します。
なお、フランスの政治制度については、こちらの記事をご確認ください。
1. 主な大統領候補
①エマニュエル・マクロン Emmanuel Jean-Michel Frédéric Macron
現職大統領 / 中道 / 欧州統合深化 /規制緩和による民間経済の活性化。
44歳(1977年12月生まれ)
所属党:共和国前進 La République En Marche! (略称:LREM)
出身:ソンム県アミアン
在任中に、急進的な規制緩和など黄色いベスト運動やコロナ禍などの難局はあったが、
依然支持率は高く、再選の可能性は高い。
②マリオン・アンヌ・ペリーヌ・ル・ペン:Marion Anne Perrine Le Pen
53歳(1968年8月生まれ)
所属党:極右政党「国民連合」(2018年に国民戦線から改名)
Rassemblement National 略称:RN
出身:ヌイイ=シュル=セーヌ(パリ郊外)
2017年の大統領候補で第2回目(最終)投票でマクロンに敗北した。
今回もマクロンのライバルとみなされている。
極右のリーダーで反移民と安全保障に固執している。
脱EU・ユーロにかつては反対したが、支持層を広げるために取り下げた。
結果、極右支持層の一部が離反するという結果を招いている。
更に過激な極右であるエリック・ゼムールとの競合により極右支持層の分裂が起きている。
③エリック・ゼムール:Éric Zemmour
作家/論評家/TVのコメンテーター
63歳(1958年8月生まれ)
所属党:再征服 Reconquête (2021年12月に結党)
出身:セーヌ=サン=ドニ県モントルイユ(パリ近郊)
反イスラムと反女性の社会進出など物議をかもす極右の思想をもった人物。
非常に博識でテレビでも多くのジャーナリストなどを論破してきており、
テレビのコメンテーターとして熱狂的な人気がある。
一時期はルペンを超える支持率を集めていたが最近はその人気にも陰りが見え始めている。
④ヴァレリー・ぺクレス:Valérie Pécresse
現イル=ド=フランス(首都圏)地域圏議会議長
移民制限 / 小さな政府志向
54歳(1967年7月生まれ)
所属政党:共和党(最大野党、中道右派)
出身:ヌイイ=シュル=セーヌ(パリ郊外)
サルコジ大統領の時代に予算大臣を経験、現在は現イル=ド=フランス(首都圏)の
地域圏議会議長を務めるなど経験豊富な共和党の政治家。
自身をフランス版の「メルケルとサッチャー」とたとえ、タフで経済通だと主張している。
12月にベルトランやバルニエなどの有力者を破って共和党の大統領候補者に指名された。
⑤アンヌ・イダルゴ:Anne Hidalgo
パリ市長(東京五輪の閉会式で五輪旗を受け取った人)
62歳(1959年6月生まれ)
所属政党:社会党(旧2大政党、中道左派)
出身:スペイン(2歳の時にフランスへ移住)
パリ発の女性市長として、2020年から2期目を務めている。
社会党の候補として、労働者の尊厳や賃金の改善、教育や保険システムの再構築を唱える。
また環境対応にも力をいれており、パリでの自動車交通の制限と自転車レーンの増加、
さらには17万本のプランテーションなどを実施してきた。
2. フランスのトランプ:エリック・ゼムール
今回の大統領選の台風の目になりそうなのがエリック・ゼムールです。
外見はおじいちゃん!という感じですが、
博識でとにかくディベートに強い!ものすごいインテリという評判です。
それだけなら良さそうなのですが、(頭が良すぎるせいか)かなり極右です。
フランスの極右といえばルペン親子が有名ですが、
そのルペン氏よりも更に右より意見の持ち主です。
移民排斥を訴えており、このままではイスラム教徒などの外人にフランスを乗っ取られる
という「民族入れ替え論」を唱えています。
また女性が社会権力を持つと、権力が弱体化するということも唱えています。
時代錯誤な論調のように聞こえますが、
トランプが大統領になったときのように、一定程度の隠れ支持者がいて、
もしかしたら、想像以上に支持者がいるのかもしれません。
実際どういったことを主張しているのか肉声が聞きたくて、
動画を探しました。英語字幕の対談動画を見つけたのでご紹介します。
その他英語でのエリックゼムールの紹介動画もご紹介します。
賛否両論と言う感じで、まさにトランプの選挙活動を思い出さされます。