今日は、アンリです。
先日、フランスの歴史に関する記事を公開しましたが、
第二次世界大戦以降のフランスの歴史はあまり紹介されておらず、
どちらかというと政治経済の勉強をしたほうが早いと感じました。
今日はフランスの現在の政治体制のご説明をすることで、
第2次世界大戦後のフランスの歴史を理解したいと考えます。
1.フランスの政治体制
フランスの政治体制は下記の通りです。
準大統領制とよばれ、大統領の権限が強い大統領制です。
反対にドイツなどの大統領は単なるお飾りです。
大統領の権限が強い体制を作ったのは、有事に強い政治体制を確立するためでした。
前政治体制である第四共和政が非常に不安定な政治体制で、
なんと11年間で22回も内閣が交代する異常事態となり、
まったく緊急時に対応できなくなってしまっていたからです。
第五共和政が導入された結果、政治は安定し、歴代8名の大統領が長期的な政権運営を
してきました。イメージとしてフランスは伝統的にアメリカとは一線を画すスタンスで
外交してきているイメージですが、それはド=ゴール主義と言われるシャルル=ド=ゴール
やその後輩たち(共和党)の大統領が多いからのようです。
ちなみに今の大統領のマクロンさんは新しい風ということ伝統的な共和党でも社会党でもない、フランス前進党の党首です。日本維新の橋下さんや都民ファーストの小池さんが政権をとったようなイメージですかね。極右のルペンに政権を取らすくらいなら、この若造に任したほうがましという消去法で選ばれただけという話もききますが、再選されるのでしょうか?
直接選挙ではこういった一瞬の風に乗ると政権とれてしまうんですね。良いようような恐ろしいような・・・
少し古いですが、マクロン大統領について1分間で理解できるという記事を見つけましたので、興味があればお読みください。
2.英雄シャルル=ド=ゴールについて
『パリの空港の名前の由来のおじさん』くらいのイメージしかない方も多いと思いますが、
20世紀のフランス最大の英雄はシャルル=ド=ゴールで間違いないと思います。
絵にかいたようなフランス人でかなり傲慢で不遜な人物だったそうです。
若いころから我が強く軍人として少佐に昇進するのに10年かかったとか、
敵が多くて、生涯で暗殺未遂事件が31件もあったそうです。
しかし、軍人としては
・第一次世界大戦中にドイツ軍に捕まった後も何回も脱走を企画し失敗
・第2次世界大戦でドイツにフランスを占領された後にロンドンで亡命政府を樹立
・パリの解放を実現
と筋金入りの軍人としての経歴があります。
フランスはその後戦勝国として国連安保理の常任理事国入り出来たと言われています。日本やドイツが戦後にどれだけ経済力をつけても常任理事国入りできない事実を踏まえると、とてつもない功績ですね!
戦後は一度は引退するものも、植民地駐在軍が反乱を起こした『アルジェリア危機』では、
乞われて政界に復帰する条件としては第五共和政へ移行させ、危機を鎮めました。
最後は老害化した感はあるようですが、
2回も祖国を救うだけではなく、現在に至るまでの『第五共和政』をつくり、
更に外交上の既得権益(常任理事国としての拒否権)を勝ち取るなんてすごいですね。
簡単に7つの軍人と政治家としての7つの功績をまとめました。
最後にド=ゴール将軍の演説(日本語字幕)をご覧ください。
<参考文献>
Charles de Gaulle: The man behind the myth
Charles De Gaulle: The Flame of French Resistance?